自由気まま整形外科医先生の真似。

deltopectoral approachが安全なアプローチであることに異論はないんだけど。

でもこのアプローチだとロッキングプレートで固定するには展開が悪いんだよね。

三角筋が邪魔でどうしてもプレートが前方よりになってしまう。

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ギリギリ腋窩神経を損傷しない程度のギリギリで。

実際にはこんな感じ。

黒線で書いたように三角筋を電メスで展開。

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この展開のもう一つの利点は、鎖骨の下に指を入れると、三角筋と棘上筋の境目が直ぐに分かる。

そうして3DCTで確認しておいた大結節部のところにKワイヤーでプレートを仮固定する。
(骨頭とプレートの位置関係だけを注意して、上腕骨骨幹部との関係性はこの時点では無視)

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赤で印をつけたところを目指して、プレートをKワイヤー2本で仮止めする。

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その後は透視下で骨折を整復して、一番下のエントツにもう一本Kワイヤーを打つ。
合計3本のKワイヤー(上2本、下1本)
そうすると、スクリューでプレートを圧着させることが容易になる。

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あとは型の如く残りのスクリューを打つだけ。

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この展開では十分に上部を展開することで無理な力が働かずにエントツを立てることが出来る。
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この展開だと写真撮ったりしなければ、医者1人で30分で終わる。

後療法のストレスもないし。

この展開だと大結節が飛んでいるようなステイスーチャーが必要な症例も全くストレスなく対応できる。

そしてもっと良い点は、髄内釘の手術でもこの展開の近位部が有効だってこと。

思ったようにレポ出来なかったり、ガイドワイヤーの刺入ポイントが外側になったりする場合にわね。

ゆるい整形外科医の戯言だから、投資と一緒で自己責任でね。

おわり。


上腕骨近位端骨折でロッキングプレートを使用する場合、主に2つのアプローチがあります。

1,deltro-pectoral approach
2,antero-lateral approach

今回書いたブログは、deltro-pectoral approach変法です。

deltro-pectoral approach自体は、安全な完成した展開ですがロッキングプレート時代には少し不利な部分があった。

それが皮切とプレート設置が一致しないこと。

それが手術の難易度を上げるので、三角筋をセパレートしましょうっていう僕のオリジナル。

antero-lateral approachはMIPO法で行うアプローチ。

これは何度もやってことがあり成績も非常に良いけど、その理由は適応を選ぶからなんだよね。

つまりチョロい骨折しか適応にならない。

転位が少ない外科頚での骨折、大結節だけが飛んだ骨折など。

3parts,4partsの骨折ではantero-lateral approachでは無理。

そしてdeltro-pectoral approach変法をMIPO法に工夫するやり方は、俺自体何度も何度もトライしたことがあるけど思っている以上に難しい。
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その理由はantero-lateral approachではプレート設置する直上を展開するからこの皮切で足りるの。

deltro-pectoral approach変法ではdistalの皮切がもう少し長くないと理想的な位置にプレート設置出来ない。

だからこそ僕自身は、deltro-pectoral approach変法かantero-lateral approachしか利用しない。

勿論、髄内釘の時はもっと違うアプローチだけど。

参考までに追加した。
(H29.6.12)

ついでにvideoも追加しました。

上腕骨頸部骨折に対する展開の工夫 パート2