俺も良く定年後のことを考える。

定年後と言うよりは老いて行く自分についてよく考える。

この著者のような世界観に共感するな。

金銭的にはこの著者からしたら随分と恵まれている部類に入るんだろうけど。

外来をやっていて80歳ぐらいの老人の診察をする時、この老人がもう少しだけの健康寿命が終わりそうなことを嘆く(悲しむ)事が良くある。

80歳で健康で自分で病院に薬をもらいに来れることは、平均的な80歳を考えれば健康に恵まれた人生だと思うけど、それが終わりそうになることは本人はやっぱり寂しいよね。

個人的には80歳まで膝が痛くなりながら長生きしたくないと思ったり、今年の健康診断でトランスアミナーゼは正常だけどγーGTPは随分高くなってるし。

酒を止めてまで健康に気をつけて長生きしたくはないけど、健康なら長生きしたいし。

だけど膝が痛くなるのは嫌だ。

脳梗塞で麻痺が残ってまで長生きしたくないとか。

年を取らないと年寄りの気持ちは分からないよね。

どれだけ優秀でも20代の医者に老人の気持ちは分からないよな。

分かる必要もないんだけど。

2014-08-04 書類が揃っていることが命! でござる

老人の気持ちを察して治療法を変える職業じゃないしね。

外科系だと結果が良かったら「先生のお陰で良くなりました」と感謝されお礼まで貰ったりする。

結果が悪かったら「手術が失敗したんだろう」と罵倒する家族もいるけど、多くは家族同士で「手術が失敗したんだろうな」と話しているのが分かる。

お礼をくれる家族には、それ程のことはしていないのにと心から思うし。

失敗したと言う家族にも、失敗ではないのにと心から思う。

因果な商売だとは思うけど、外科系の医者ってのははじめから少し頭がおかしいから出来るのではないかと思うようになってきたりもして。

この本に鬱になる人間が弱いんじゃなくて、こんな世の中で鬱にならない人間の方が頭がおかしいってのがあったけど。

そう言われてみれば、そうなのかもしれない。

この本は定年後に読む本じゃなくて、人生を折り返したぐらいで読んでみると良いのかもしれない。

このブログを読むのは100人ぐらいだろうけど、半分は人生折り返した頃でしょ。

おわり。