概ね、医者は大船渡高校の監督を擁護する意見が多いよね。

俺も監督は偉いなと思ったから。

スポーツ整形をやっている先生などは、投球制限も含めて提言している。

でも俺の場合は医者としては少数派になる金銭ベースで物事を考えるタイプなんで、今回のケースを検討してみると。

多くの名門野球部の監督は教育者と言うよりは、監督業だよね。

売名目的の高校から依頼されて高給を貰い、生徒(部員)を甲子園に連れて行く。

何度も何度も甲子園に出場するような名監督のもとには有望な選手が入部するようになり、その中からプロ野球選手になる生徒も出てくる。

プロ野球選手になった生徒からは、契約金を一部をバックさせる。

そういうビジネスモデルだよ。

ビジネスである以上は、戦争とも言えるし、競争なんだから負けたら意味がない。

生徒(部員)が潰れようと監督にとっては痛くも痒くもない。

勝てなければ(負けが続けば)、自分が死ぬんだから(監督廃業になる)ね。

それは年収700−800万円の高校教師の仕事ではない。

名門野球部監督の収入は選手からのバックを換算すれば年収3000−4000万円だけど、明日無職になる可能性がある職業。

佐々木投手の方は決勝で投げたかったみたいだけど、俺が佐々木投手の立場だったら自分から直訴して投げないよ。

将来100億円でも200億円でも稼げる才能をこんなところで壊したくないでしょ。

甲子園なんか単なる友情ごっこに過ぎないんだから。

一方、これでドラフト一位でプロ野球選手になると思うけど、大人気の選手にはなれないね。

日本人は自己犠牲精神ってのが大大大好きだからね。

メジャーリーグに入ってサイヤング賞なんかを取れば掌返しで称賛するんだろうけど。

結局、大船渡高校の監督は教育者なんだと思うよ。

教育者ってのは勝負師ではないので、もし佐々木投手を潰したら後悔しまくりになるだろうね。

教育者は内科医に似ている。

監督業は外科医に似ている。

よくよく考えたら俺が大船渡高校の監督だったら、佐々木投手を潰しても甲子園を目指していたわ。

俺はそういうタイプの人間なんだろうね。

おわり。