営業で大切なのは、モノを売ることではありません。販売する人の「信用」を買ってもらうのです。


医者が売っているのは「技術」ではなく「信用」とか書くと、若い先生達からすればオッサン感満点なんだとは思うけど。

同じ場所で長く外科医を続けていくとなると、ヤッパリ医者が売っているのは「技術」ではなく「信用」なんだよね。

若い修行時代に色々な病院を医局人事で転々とすると思うけど、これは病院毎に症例の傾向が違うってのも理由の一つだけど。

技術が未熟な医者に同じ場所で手術をやらせておくと、信用云々の以前に未熟な医者のメンタルが持たないんだよ。手術した患者の結果が悪かったら患者やスタッフから責められるでしょ。

外科医にサイコパスやアスペルガーが多いってのはそれなりに理由があって、普通のメンタルの外科医だと一人前になる前にドロップアウトする外科医がある一定数は出現する。

サイコパスやアスペルガーは反省しないからな。そのうち突き抜けた状態になったりね。

病院が移動になったあとの後始末をオーベンや上司がやっておくみたいのも、日本の外科医の伝統芸能みたいなもんで脈々と受け継がれてきている。

まあ最近の医局制度の崩壊や手術手技のビデオでの習得などで、伝統芸能に属していない外科医も増えてきているのかもしれないけどね。

俺もそう言えば、伝統芸能の外の住人だったわ。

医療業界という人間界最大のエンターテイメントの世界の括りの中で言えば、伝統芸能の内の住人も伝統芸能の外の住人も同じ穴の狢だけどね。

話が飛びすぎたけど、「営業で大切なのは、モノを売ることではありません。販売する人の「信用」を買ってもらうのです」と言った場合は、モノの違いを購入者は理解できないからなんだよ。

モノの違いを購入者が理解できるのなら、自分で判断すれば良いだけの話。

判断できないから、販売する人の所属する会社名を信用して購入するわけだし。

会社名を信用する行為の上位に、営業マンを信用する行為が存在する。

医者も同じだと思うよ。

大学病院、ブランド病院に所属しているから信用されている医者は、信用されているのではなく労働力を提供しているだけの存在。

病院を信用してもらうのではなく、自分自身を信用して貰えれば。

病院経営者が馬鹿だろうが、上司が馬鹿だろうがもう関係ない話だと思うよ。

まあ、綺麗事過ぎたかな。

医者が売っているのは「技術」ではなく「信用」なんかを実現化するのは、簡単な事ではないんだけどね。

おわり。