このブログの違和感として、結婚しない出来ない男女を肯定していることだよな。


そういう子どもを育てた親の行為もね。


年収300万との男性と結婚するぐらいなら生涯独身の可能性があっても構わないと思わせる日本の制度がモラルハザードを起こしているよね。


日本に生活保護と言う制度がなく、年収300万の女性が税金も納めずに子供も産まずに仕事できなくなったなら静かに死んでいく状況なら、彼女たちの選択を非難するつもりはない。


でも社会が世代間の助け合いで成立している以上、結婚はする必要がないけど子供がいない男女にはそれなりのペナルティーがあってしかるべきだと思うけど。


生涯結婚せずに子供もいない女性でも年収数千万で十分過ぎる税金を納めたのなら問題ないと思うけど。


チキリン女史みたいなのはね。


高齢者の生活保護には子供の有無を条件にして。


そして現在の女性の年金生活者の受給額には、孫の数により金額を変えるべきだと思う。


モラルハザードを許せばまた社会の崩壊が進むだけだと思うけどな。












なぜ昔は、学歴も年収も低くても結婚できていたのか

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20121012


先日、NHK首都圏ネットーワークというテレビ番組で、「結婚できない若者」を特集していました。(番組サイトはこちら

「男女とも結婚したがっているのに、結婚できない人が増えている」というもので、28才、中小企業勤務で年収300万円、活動的で誠実そう、外見も問題なく、でも「学歴はない」という男性が登場してました。彼は結婚紹介所に入会したけど、200人近い女性に、会うことさえ断られたらしいです。

女性側は、共働きをするにしても出産、育児で収入が途絶えることを考え、男性に年収600万円以上を望む。でも未婚の若い男性に、そんな年収の人は多くない。実際、年収の低い男性の未婚率は高く、交際率さえ低いというデータが紹介されていました。


さて、この番組をみて、みなさんどう思われるでしょう?

「なんで、こんないい男性がお見合いを断られるんだ!?」と不思議だったり、憤ったりしますか?


女性側の立場にたって考えれば、この男性がお見合いを断られるのは、不思議でもなんでもありません。彼は今28才です。ということはお見合いを申し込んでいる相手の女性も、その年齢付近以下の人が多いのでしょう。それはつまり「20代で結婚紹介所に登録をしている女性」です。

20代の女性は、紹介所の会員のなかで最も人気のあるグループです。男性にとって年収が大事であるように、女性にとっては年齢が最重要だからです。つまりこの男性は(おそらく無意識に)最も人気のある女性にアプローチしています。

最も人気のある彼女らは、彼以外の多くの相手から会うことを求められており、その中には30代半ば、年収が彼の倍近い、という人もいるんでしょう。

彼の言う「自分には学歴もない」が、大学(か高校)に行っていない、という意味なのか、大学名が一流ではない、という意味なのかわかりませんが、前者であるとすれば、「最も人気のある20代女性」から立て続けに断られたのも、そんなに不思議ではありません。


そもそも、20代で結婚紹介所に登録している女性が求めているものを想像してみましょう。彼女らは「つきあっていて楽しい男性」を探しているわけではないでしょう。まだ平均結婚年齢にさえ達していない女性が、わざわざ紹介所に登録するのは、恋愛相手ではなく結婚相手を探すためです。

こういうシステムのなかでは、会うまでは条件がすべてです。会う前に彼女らが“検索”に使いそうな要素を考えれば、この男性が“モテない”のは不思議でもなんでもありません。

ただし、今回出ていた男性、とっても誠実そうでいい感じだったので、このテレビ出演を機に結婚できるんじゃないかとは思いましたけど。


さて、この番組を見てちきりんが考えたのは、「こういう男性は、なぜ今まではナンの問題もなく結婚できていたのか?」ということです。

データを見る限り、1970年代までは男性はほぼ全員結婚できており、年収が低くても学歴が低くても結婚できていたはずです。

データ: 年齢別未婚率


なんで昔は、学歴も年収も低い男性でも、結婚できていたんでしょう?


ひとつは、「昔は女性が、結婚するために敢えて自分のスペックを押さえていたから」でしょう。ちきりんの母は、自分の父から「女が大学なんて行ったら結婚できないからダメ!」と大学進学を反対されています。

もう少し後の世代(今の50才くらい)でも、同じ理由で親から「短大でないと進学させない」、「女子大でないとだめ」と言われた女性はたくさんいました。東大に行けるのに、お茶の水大学に進んだ女性がいたのです。

同じ理由で「理系学部なんて行ったら結婚できない」とか、「一人暮らしなんてしたら結婚できなくなるから地元の大学に通え」と言われた女性もいたはず。庶民層なら家政科、ハイエンド層なら英文科に進ませるのも、女の教育なんて「いいところに嫁にやるためのものだった」ことをよく表しています。


当時の女性にとって、「結婚できる、できない」は死活問題でした。結婚できなければ食べていけなかったのです。だから結婚するために、自分の学歴をできるだけ押さえておく、というのは基本でした。

この風潮がなくなったことが、学歴のない男性が結婚しにくくなった最大の理由でしょう。図解するとこんな感じですね↓  番組で紹介されていた男性は、グレーの4名のうちのひとりなのです。

f:id:Chikirin:20121014111239j:image:w400




では、年収の低い男性でも昔は結婚できた理由は何でしょう?

こちらの理由は「時代が右肩上がりだった」ことでしょう。20代で年収が低くても、高度成長期であれば全員の年収が右肩上がりでした。

そういう時代には、20代で年収300万の男性と、30代で年収500万の男性なら、前者の方が、20代女性にとっては結婚したい相手だったはずです。普通にしていれば、彼も30代になれば、年収500万円になるからです。

でも今は違います。20代で年収300万円の人が、30代で年収500万になれるかどうかは、誰にもわかりません。ならない可能性も十分にあります。だったら年齢が上でも、年収アップが確定している人の方が選ばれるわけです。


このように、今回紹介されていた、

・若くて

・いい感じの外見&性格で

・学歴はなく

・年収が低い

人は、昔に比べて結婚しにくくなっているのです。


この問題はすぐに「女性が男性に高年収を望むが故のミスマッチ」などと言われがちですが、もう一歩踏み込んで考えれば、

・女性が「結婚するために、自分の教育レベルを上げない」ことをやめたこと

・年齢と収入が相関する、高度成長&年功序列時代が終わったこと

が、根本的な理由でしょう。


最近になって、女性が男性に高い年収を求め始めたわけではありません。昔から女性は男性に経済力を求めていたし、男性は女性に若さや容姿、従順さを求めていました。

特に、「女性が男性に経済力を求める傾向」に関してのみ言えば、全男性が結婚していた1970年代の方が、むしろその傾向は強かったでしょう。当時は「稼ぐのは全面的に男」の時代だったのですから。

私たちが理解しておくべきは、「女性が男性に高い経済力を求めるようになったことが、近年、年収の低い男性が結婚しにくくなってきた理由ではない」、ということです。女性が経済力を全面的に男性に依存していた昔においてさえ、学歴や収入が低い男性は結婚できていたのですから。



実は、「娘にも(息子と同レベルの)教育を受けさせたい」と考えたのは、「女性だからという理由で、教育レベルを押さえて結婚した世代の母」であったり、そういう女性と結婚した父、であったりします。

今、30代から40代の女性の中には、母親から「これからは女も勉強すべき。手に職を付けるべき」と強く吹き込まれて育った女性も多いのです。

そこには、「女のくせに勉強なんかしたら“もらい手”が無くなる」と脅されて育ち、20代前半にそそくさと結婚させられた母親が、娘の教育に込めた“自らの人生への想い”が、表れているのです。


そんじゃーね