「リスクを取らないことが最大のリスク」って言葉は最近良く聞くようになった。


あるいはブログや本で目にする機会が増えた。


今のような先の見えない時代だとまあこういう言葉は流行る傾向にあるとは思うけど。


ちょっとググって見ると。


羽生名人が「大局観」でこの言葉を言っているみたいだね。


それ以外にも。


「人生の初期において最大の危険は、リスクをとらないことである」

キルケゴール


「攻める方が、既得権益に安住するよりはるかに低リスク」

トヨタの奥田元会長


この手の言葉は前からあるから羽生名人オリジナルではないのはわかると思う。


でもこの言葉って最近、リスクを取っちゃ駄目な人間にリスクを取らせるための営業トークとして使われてない?


何度もこのブログで書いているけどリスクとリターンはイコールなの。


羽生名人のような将棋界のスーパースターにとっては、リスクを取ることがメリットになるってことは。


そのメリットの量と同じだけの、将棋界の一般人のデメリットが存在するの。


抽象すぎて理解できないなら、一応医者ブログなので手術で例えると。


外科医がリスクを取らないことが外科医の最大のリスクだと思って失敗した典型が慈恵青砥事件だよね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%88%E6%81%B5%E5%8C%BB%E5%A4%A7%E9%9D%92%E6%88%B8%E7%97%85%E9%99%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6


そして羽生名人のようにリスクを取って成功した典型が脳外科医の福島先生だよね。

同僚の脳外科の先生が言っていたけど三井記念病院時代にはそれはそれは沢山の患者さん達がお亡くなりになったらしいけど。

福島先生は自称世界一の脳外科医らしいから、未熟な時の殘念な結果もその後多くの患者を助ければ名医っていう外科医の王道とも言えるけど。


もう少しテクニカルな話をすれば、もしリスクを取るにしても。


2,3人続けて殘念な結果になっても(羽生名人の言うところの一時的な勝率低下があっても)、この先生なら間違いはないと思われる手術室スタッフ、病棟スタッフ、患者さんなどに対する評判(要するにそれまでの外科医としての実績、評判)があれば。


慈恵青砥事件のような一発退場はなかった。


もっとテクニカルな話をすれば。


自分の手先に絶対の自信がない外科医は、手術室でリスクを取るよりはロビー活動で名医になるほうがリスクが低い。


医療界とは全然違う分野の知り合いが、最近「リスクを取らないことが最大のリスク」といって転職したり、独立したり、投資を始めたりしてたんで。


面と向かって注意すると、結局はお前は馬鹿なんだからって話になるんで応援する以外なんだよな。


上手くいくと良いねって。


勿論上手くいく可能性はあるからディスてるんじゃないけどね。


幸運を祈るよ。


終わり。