他人のブログですが,秀逸なのでアレンジして。


経済の問題も、政治の問題も、教育の問題も,医療の問題も。


結局,同じ。

成否の判断は迂闊に途中でやってはいけない。


フィンランド、米誌評価に「自殺多いのに・・・」

http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20100823-3.html


 【ロンドン=有賀信彦】米誌ニューズウィークが世界最高の国に北欧の小国フィンランドを選んだ。同国民の多くは喜びつつも、「マイナス要素もたくさんあるのに」と戸惑っている。英紙ガーディアンなどが報じた。

 フィンランドのジャーナリスト、ティモ・ハラッカさんは同紙への寄稿で「冬は暗く寒く、自殺やうつ、アルコール依存症の割合が高いのに、今回、それらをどう評価したのか。多くのフィンランド人が抵抗を感じた」と指摘。実際、世界保健機関(WHO)が2009年に発表した同国の自殺率は人口10万人当たり18.9人と世界的にも高く、深刻な社会問題だ。

 同誌の評価の指標には自殺率はなく、教育、医療サービス、生活の質、経済競争力、政治的環境の観点から総合評価した。

 ハラッカさんは単独指標としても世界一の評価を得た教育について「2007、08年には銃乱射事件が2件も学校で起き、計18人が死亡している。いいことと悪いことが極端に表れる」と述べている。

 フィンランドは08年基準で人口533万人と、日本の人口の5%にも満たない。

(2010年8月23日)


スウェーデンの破綻は平等主義、福祉主義(による教育)の限界を露呈

http://blog.katei-x.net/blog/2010/05/001056.html

この点を考える上で、北欧の中でもフィンランドとは対照的に、2000年以降の調査で成績低下傾向が鮮明なスウェーデンを見てみると、北欧教育をもう一歩突っ込んで考えられるように思います。

あまり知られていないですが実は、(教育も含め)スウェーデンの福祉主義は破綻に瀕している。財政の悪化が甚だしく、金が無いので、福祉政策が十分行えず、格差社会に突入、治安も悪化している。

世界的経済不況は、高齢者福祉および教育関係の経費節約を余儀なくされていますが、ホームレスにも容赦なくその影響を受けています。資料によると、現在ストックホルム・コミユーンには、3 100人から 3 200人のホームレスがいます。その内の約24%が女性です。これは昨年度よりも約30%の増加し、経済不況により失業者が増加したことと、比例てしているとコミューンは発表しています。リンク
スウェーデン国内の治安は、1990年代に比較すると、格段に悪化しています。銃を利用しての殺人も増加し、 殺人犯罪のみで、昨年の上半期に比較して、9%の増加です。一部の地域では、犯罪者グループ同士の闘争も増加し、例えば2007年7月22日には、19歳の青年がグループ内闘争の結果 路上で射殺されました。リンク

このよう状況で、教育にさくお金も無くなっており、レンタル扱いの教科書は使いまわしてボロボロ、僻地の学校では統廃合が急増している状況らしい。そして極めつけは、

スウェーデンの高校教員は正規職員の内、約27%の教員が無資格であることが判明、調査国では最高の数字である。これは、4人の内1教員は、資格をもたない者が高校教員として、生徒指導をしていることになる。臨時職員では、二人に一人が資格を持たなという。リンク


■PISAランキングが好調なフィンランドの教育の秘密は
フィンランドも福祉国家でありスウェーデンと同じ道をたどる恐れもありますが、現状は上手く行っているようです。改めて彼らの教育の強さの秘密は何でしょうか?

●教師はなりたい職業第1位、尊敬される存在

フィンランドの教育を語るとき、やきめ細かい面倒見や豊かな教育投資と並んであげられるのが、教師の質の高さです。フィンランドの教師は質が高く、かつ尊敬される存在なのです。

だが、フィンランドの教師は、社会的にも尊敬される社会的地位も高い職業とあって競争率が高い。1位2位を争う人気の職種で、普通科高校生の26%もの生徒が志望しているが、教育系の大学に進学できるのは、大学入学資格試験と大学が個別に行う書類選考、筆記試験(4時間)、個人面接、グループワークと一ヶ月にも及ぶ選考を通過した1割程度の志願者のみである。さらに、採用される者はそれ以上に絞られることになる。このためフィンランドでは、他の職と比べても、高い能力と意欲をもつ教師を確保することができている。リンク

では、なぜ教師が人気の職業であり、質も高いものとなっているのでしょうか。

●教育、人材の質に可能性収束する国家戦略

フィンランド文部省が公式見解の中で、「わが国は天然資源に恵まれず、人材こそ国家財産であり、人材育成に国の将来をかけている」と述べているように、教育に対する熱意と努力の度合いは極めて高い。リンク
フィンランドの人たちは自分たちの国の特徴について聞かれると「労働人口が少ない」「森林以外に資源がない」「自然がいっぱいといっても、寒さが厳しいから観光資源とはならない」とないないづくしで自嘲気味に語る。そのあとに続けて自慢げに「人もふくめて資源が少ない小国だからこそ、教育に力をいれなくてはならないと考えて、それは成功している」という。リンク

●大国の間で翻弄され、生き延びた時代

古くからスウェーデンとロシア(ソヴィエト)という二大強国の間に挟まれ常に両大国と領土を巡って争いながらも独立を保ってきたフィンランドでは、毎日が存亡の危機であり、国を安定的に存続させるために国力を高める必要性があった。19世紀の世界的な民族運動の高まりの中で牧師であったウーノ・シグネウスの提言によって国民学校法が施行。

「グローバリズムの進行によって、小国はますます厳しい競争にさらされる。国際競争のなかで勝ち残っていくためには、国民全体の教育レベルを底上げすることが必要なんだ」「所詮、人口や資源の量では太刀打ちできないのだから、一人ひとりのGDPを上げていくことが必要だ」という話が出たあとに「だからグローバル化する時代の要請に応える教育に力を入れる必要がある」と続く。リンク

「大国にはさまれた小国で、しかも歴史の浅い国が生き延びる道は、教育大国になるしかない」


国民全体が外圧を対象化し、教育の重要性を感じていいる。それが、北欧(フィンランド)の教育の質の高さの核心のようですね


ひとつの経済政策の成否の判断は迂闊に途中でやってはいけない。

ひとつのサイクルが終了して始めて正確な論評が出来るのである。
日本型の経営もバブル崩壊までは世界中で注目を浴びるものであったが、その後様々な欠点が露呈した。

アメリカが推し進めた新自由主義経済政策も、バブルが続いている間は非常に豊かな生活をもたらしたが、バブルが弾けてみれば全て多額の借金と失業として国民に襲いかかった。

欧州もEUやユーロなどの共同体バブルが発生したが、弾けてみれば酷いものだ。

北欧諸国の高福祉政策も今は良い。だが、経済が危機に陥った時にそれが今後も継続出来るかどうかは定かではない。

他人の良いところを取り入れるのは非常に良い事である。が、物事には必ず、必ず表と裏がある。メリットがあればデメリットも存在する。
徹底的に調査・分析し、その上で日本人の国民性だったり、文化風習に合うかとかの検討が必要不可欠である。

明治期初期には、それこそ国を背負って若者たちが留学し、先進国を研究し、それを元に徹底的な議論の上で優れた制度を取り入れて行った。

だが、今の日本はあまりにも物事の表層しか見ない。やるのも表層だけ取り繕ってやる。だから他国の中途半端な真似事政策は全て失敗する。

小泉改革だって、同じことを突き抜けて徹底的にやっているシンガポールであったり、アセアン諸国だったり、新興国などはリーマンショック以降も素早く立ち直っている。
既存の腐った部分を手をつけず温存しておきながら、弱い部分だけを改悪した結果、日本だけが失速している。