突き詰めて考えると、結局すべてのことが運だなって思います。

努力の末に成功を勝ち取った人も、宝くじを当たって成功した人も。

結局同じですよね。

一般的には、努力の末に手に入れた物は尊く。棚ボタ的な物は尊くないというのが一般的なコンセンサスですが。

イチローの努力が素晴らしいことは、言うまでもありまえん。

しかし、イチローより努力した野球選手は沢山いたと思いますよ。

イチローの成功の要因は、努力でなく持って生まれた才能の部分の方が遥かに大きい。

そんな極端な例でなくても。

もし自分が医学部に受かっていなかったら。

高校受験の時に、定員割れで全員合格でなかったら。

整形外科を選んでなかったら。

あの時に医局を辞めてなかったら。

あの時に起業していなかったら。

ぜんぜん違う人生になっていた。

でもそれって結局、運だったんだと思います。

本当に紙一重。

ギリギリボーイズです。

偶然、現在において金になる可能性が高い数学的な才能を持って生まれてくることとか。

たまたま成功したこととかを。

あたかも自分の努力がいかに凄かったかを仰る方たちには違和感を感じずにはいれらません。

努力し続けられたことも,結局は運なのにね。

どうすれば「恐竜の頭」が見つかりますか?

http://www.tachibana-akira.com/2010/10/1008 


橘さんはじめまして。僕は下記について夜も眠れないほど真剣に考えています。ぜひ橘さんのアドバイスをいただきたくお願いいたします。

『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』を読み、「伽藍を捨ててバザールに向かう」決意をしました。ですが具体的にどうすれば実現できるかが思いつきません。好きな分野でブログを書いて広告収入(アフィリエイト)を得る程度のことしか考えられません。「好き」を仕事にして家族を養える程度の収入を得る方法には、例えばどのようなやり方が考えられますでしょうか?

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同様の質問をほかにもいただいていますが、「これをすればいい」という具体的なアドバイスは私にはできません。

そのかわり、「成功」における運や偶然について、最近思ったことがあるので、それについて書きます。

先日、邱永漢さん と食事をする機会があり、「必要は発明の母、偶然は成功の父」という話を伺いました。今年で86歳になられた邱さんは、これまでの人生でたくさんの成功者と、それよりもずっと多くの失敗したひとたちと出会ってきたわけですが、「計画を立てて、そのとおりに成功したひとは一人も見たことがない」といいます。

私はこれまで、偶然(運)をうまく説明することができなかったのですが、邱さんと別れたあとで、六本木ヒルズの前を歩いているときに、突然、『残酷な世界〜』で書いたこととつながりました。その仮説を、次のような例で説明してみます。

私はいま、深い森のなかで道に迷っているとします。地図も磁石もなく、空は樹木に覆われて太陽も星も見えません。

しかしこの森がバザール空間であれば、とにかく歩き出せばどこからかフィードバック(評価)が返ってきます。どの方向に歩き出すかは勘に頼るしかなく、どこからどのようなフィードバックが来るかはわかりません。すなわち、まったくの偶然です。しかし、そのフィードバックを活かすことで、深い森を抜けられるかもしれません。

このように考えると、「成功」に必要とされるさまざまな資質を整理することができます。

  • どこからフィードバックが来るかは、偶然(運)です。
  • そのフィードバックを聞きとれるかどうかは能力です。
  • 正しい方向がわかったとして、一歩を踏み出せるかどうかは決断です。
  • その方向に歩きつづけられるかどうかは努力です。

しかし、歩いているうちにフィードバックは変わってきます。突然、聞こえなくなったり、ネガティブなものに変わってしまうこともあるでしょう。

  • そのとき、立ち止まったり方向を変えたりできるのが勇気です。

ありきたりなたとえですが、ここでいいたいのは、最初のフィードバック(偶然)がなければ永遠に森からは出られないということです。

伽藍の世界 は、原理的に、ポジティブなフィードバックが送られてこない死の世界ですから、いつまで待っても「偶然」は訪れません。脳は物理的に頭蓋骨に閉じ込められていますから、伽藍からバザールへ出る方法を考えているだけでは、無限ループに落ち込むだけです。

ヒトは社会的な動物なので、他者からの評価を参照しながら前に進んでいく基本設計になっています(遺伝子決定論? )。この仕組みを利用する以外に成功への道はなく、すべては常に偶然(初期値のわずかなちがい)から始まるのです。

抽象的な話になってしまいましたが、なにかのお役に立てば幸いです。

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