七つの会議 (集英社文庫)
池井戸 潤
集英社
2016-02-19



自分自身に何か出世などの運不運の出来事があったわけじゃないけど、池井戸潤の本を読んでいる途中にサラリーマンの哀愁を感じて切なくなった。

医者でも大学病院に残って出世を目指せば、半沢直樹のように運不運、理不尽はカレーライスの福神漬けのように付き物なんだろうな。

大学を卒業後、直ぐに東京に出てきたので同級生のリアル出世競争はよく知らないんだけど、フェイスブックを渉猟した範囲じゃ、2人が他大学の教授になって、一人は卒業大学の准教授になって、一人は植民地の准教授になっていた。

出世競争を目指した人間の数と結果を比べてみると、なんとも期待値の低いクソのような人生だな。

それでも出世した医者は田舎じゃ名誉的には名士だから、良いのかもしれないけど。

古い価値観の人間だから、成功した開業医より大して金にならないマイナーの科の大学教授の方が偉いと思っているし。

ベンツに乗っている社長と言っても糞みたいな中小企業の社長より、超一流企業の部長の方が偉いと思っているけど。

俺はボラティリティがある人生って嫌だと思って選択してこなかった。

「7つの会議」に出て来る私立文系のサラリーマンなんか本当に辛そう。

鬱になる人間が多いのが分かるよ。

文系でも市場価値のある転職出来る人間になれないと辛そうだな。

転勤って何?

なんで辞令一つで全国移動しないといけないの?

それと旦那に全て依存している専業主婦ってのも、よく怖くないよな。

そのための保険が、子供を人質にとって、マイホームローンで逃げられなくしてるけど。

俺の人生はゆるく、気楽にが一番。

午前中だけ働いて、昼はミシュランの星の付いた寿司屋で食事して。

午後はスポーツクラブで汗を流して、夜は自宅で晩酌しながら「逃げ恥」や「ドクターX]を見る。

そして年に4,5回は海外旅行へ行く。

そういうささやかな事が幸せだと思うよ。




















現実には馬車馬のように働いているけど。

遠くない未来に実現したいです。

あとは決心するだけなんだけど、それはそれで寂しいってのもあるからな。

社畜人生も辛いと言えば辛いけど、上司の悪口を言って場末の酒場で飲んでいるときが人生で一番楽しいからこそ、新橋の酔っぱらいは皆幸せそうな顔をしているんだからね。

仕事を引退したら、あんな楽しそうな顔で酒を飲むことは出来なくなる。

せんべろで飲んでるオッサン達はあれはあれで楽しそうだけど、やっぱり酒でも飲んでいるときだけは辛かった人生を忘れられる系なんだよな。

おわり。