昨今の働き方改革と同様、医師においても働き方改革が推進されてきた。2024年を目処に超長時間労働の是正や、医師においても労働基準を厳格に定めるのが法制化された。これらの法律に対して、医師を守るはずの日本医師会や日本病院協会が猛反発したのは記憶に新しい。これらの団体が反発するのも実は非常に明快である。なぜなら働き方改革は単独のトレンドではなく実は医療費削減・病院集約のサブトレンドであるためだ。
小中規模病院の経営は医師の時間外労働、医局派遣、夜間当直バイトなどで成り立っている。働き方改革が進めば、例えば”1人診療科長”のような中小病院を24時間365日1人で担当するような勤務体系ができなくなる。大きな病院で昼勤務した後に夜だけ小さい病院の寝当直をすることも出来なくなる。働き方改革が本気で進められてしまうと、100床以下の中小病院は本気で潰れてしまう内容だ。新制度は中小病院の経営に足枷をかける内容であり、病院経営者らが反発するのは必須であった。だがこれも織り込み済みで、むしろ厚生労働省や政府の思惑は医療費削減・病床集約であるのだろう。それをおおっぴらにやるより働き方改革を通じて実現した方が政治的に動きやすい。働き方改革は医局への影響も大きい。医局の医師派遣や大学での格安労働とバイトでの高額収入による補填もできなくなってくる。医局医師は大学から無給〜20万円程度の安月給で週4-5日働きつつ、外勤バイトで稼ぎを補填している。外勤の存在が医局制度の根幹を支えており、これが封じられると医局への影響は計り知れない。


高度経済成長期に日本の医療水準を上げるために私立病院を利用。

令和の時代には私立病院の役割は終わったので、今度は働き方改革の旗印を掲げて病院統合、医療費削減を目指すってことですね。

俺が働いているような場末病院では当直は全部バイト。

働き方改革が実現したら爺医は全員退職、若手医師に置き換わることになるな。




遠くない未来に統合される側の弱小病院なんで若手医師が来ることもないか。

俺が今から10歳若かったら色々と自分の身の振り方を考えるところだけど、正直俺にはあまり関係がない話。

ここからが本題ね。

病院が統合されて医師の数が増えて、主治医制から複数主治医制になり、時間外労働がなくなり。

だけど年収は下がるだろうな。

開業医になる敷居も高くなる。

未来の医者は今の医者より幸せなのかね?

幸せになる医者もいれば、不幸になる医者もいるってのが答えなんだろうけど。

子育ても医療も両方やりたい女医さんなんかには未来の医者の方が幸せだろうし。

ゆるふわ女医にとっては逆風が吹くね。

奥さんが専業主婦の大黒柱医師にとっても逆風だね。

夫婦ともに医者なんかは子育て環境も整って未来の医者の方が幸せかもしれない。

自分の才覚で金持ちになりたいと思うようなタイプの医者にとっては逆風かな。

若い時にバイトしまくりで種銭を作って資産形成みたいな方法論はなくなる。

既得権益側の反対で働き方改革が遅れる可能性はあるんだろうけど、概ねこんな方向に誘導されるのは確実なんだろうね。

俺の個人的な予想としては、Z世代にとっては未来の医者の方が今の医者より幸せなんじゃないかなって思うわ。

顔が可愛いだけの女との結婚がなぜリスクなのかの補足にもなるかな。

多忙な医師を専業主婦の妻が支える構造の有用性は減っていくからね。

自分のリソースを医療だけに使う必要もなくなってくるんだろうから、子育てを手伝っても良いし。

日本の理系人材の最高峰である医者ならではの副業をやってみるのも良いかもしれないな。

老人の延命治療に使っていた無駄な資源をもっと有意義な使い方をすれば少しは日本の未来も明るくなるかもしれないしね。

おわり。